竹中工務店が新阪急ビルに作業所を設置/梅田1丁目1番地計画/阪神電気鉄道と阪急電鉄
解体工事がせまる大阪市北区の新阪急ビル内に、竹中工務店が作業所事務所と設計室を設けた。阪神電気鉄道と阪急電鉄が計画し、新阪急ビルと、阪神百貨店が入る大阪神ビルディングの2棟を一体的に建て替える「梅田1丁目1番地計画」に向けた当面の現場事務所と見られる。同じ9階には阪急阪神東宝グループの中央電設も新たに入居しており、設備工事を担当するもようだ。
1月時点では新阪急ビルの9階には阪急阪神ビルマネジメントだけが入っていたが、現在は竹中工務店作業所事務所、竹中工務店設計室、中央電設がテナントに加わっている。ただ、工事はⅠ期とⅡ期に分けて進めるが、新阪急ビルはⅠ期で建て替えるため、解体工事が始まるまでの一時的な作業所として使われる見通し。
【1月時点の新阪急ビルのテナント】
【現在の新阪急ビルのテナント】
現在の新阪急ビルは1962年に竹中工務店の設計施工で完成、一方の大阪神ビルディングは63年に大林組の設計施工で竣工した。これまで建築工事については、阪急は竹中工務店、阪神は大林組が強かった。ただ、06年10月に阪急阪神ホールディングスが誕生し、同じグループになったことに加えて、阪急百貨店うめだ本店が入る梅田阪急ビルを大林組(当初は大成建設)が施工したことなどから、梅田1丁目1番地計画を施工するゼネコンが注目を集めていた。
建て替え後の新ビルの規模はSRC+S造地下3階地上38階建て延べ26万平方㍍。延床面積に占める用途別の比率は高層部に入るオフィスが55%、中低層部の商業が38%、残りが駐車場。建設地は大阪市北区梅田1-1ほか。敷地面積は約1万2100平方㍍。工期はⅠ期とⅡ期に分けて8年を計画、2014年度内に着工し、23年度の竣工を予定している。準備書は日本設計と、関西電力グループの環境総合テクノスに委託して作成した。