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風に誘われて、街へ(11) 京都・清水寺へ、一人で修学旅行

2019.02.22

近場の観光名所は、かえってなかなか行かないもんですよね。
そんな訳で、今回は京都観光の「定番中の定番」清水寺へ、ぶらりと行ってみました。
案内役は、漫画・アニメでおなじみの『名探偵コナン』こと工藤新一くん、です。

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『名探偵コナン~紅の修学旅行篇』に誘われて

今年のお正月に、『名探偵コナン』のスペシャルが2週連続で放送されました。
「紅の修学旅行~鮮紅篇・恋紅篇」です。
お話は、解毒薬で一時的にコナンの姿から高校生に戻った工藤新一が、幼なじみで同級生の蘭ちゃんたちと修学旅行で京都に行き、そこで連続殺人事件に巻き込まれる、というもの。

ここで、事件の主な舞台となったのが「清水寺」でした。
観ながら思ったのです、
「そういえば僕も中学の時の修学旅行で清水寺に行ったなあ。
テレビのディレクターの頃には何回もロケで行ったけど、考えたら、もうしばらくは行ってないなぁ。最近はどんな具合なんやろ」と。

で、2月の暖かな一日、「一人修学旅行!」を決め込んだのでした。
リュックには、漫画『名探偵コナン』の第94巻と第95巻を入れて。
なんせ、我が家には『コナン』は全巻がそろっているのです。

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「八坂の塔」から「産寧坂」へ

東大路通りを、八坂神社から南へ向かって7、8分歩くと、「玉水町」の信号。
身体を左に90度ひねった途端、眼の前に、狭い京家並の道とその行く手に流麗な「五重の塔」が現れます。
通称で「八坂の塔」と呼ばれる、「法観寺(ほうかんじ)」の塔です。

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――This is Kyoto――これぞ、京都観光のファーストカットと言っていいでしょう。
通りには、着物姿の若い女の子たち、カメラを構える外国人たち、時々通る人力車。
左右には、「わらび餅」や「みたらし団子」や「八つ橋」や「白玉ぜんざい」や「京扇子」などの看板や暖簾が連なっています。
一瞬にして、私も堂々たる観光客の一人になれました。

店先に並んで楽しそうにしゃべっている和服姿の女の子たちに近づいて、耳を澄ませてみたら、「うん、うん?」
そのほとんどは、中国語や韓国語や、どこのかわからない異国のことばでした。
これが、いわゆる「インバウンド」なんですねぇ。現状把握できました。

ちなみに、この「八坂の塔」の見える風景は、京都を舞台にした刑事ドラマなどでも「是非ものカット」として良く登場します。
私も現役テレビマンだった時は、ドラマだけでなく「旅もの」でも何度もこのあたりで撮影をしたものです。

『すみずみに残る寒さや梅の花 蕪村』

「産寧坂(さんねいざか)」の急な石段の手前に、一本の紅梅の木が。
ふんわりとした桜もいいですが、きりっとした梅の花もいいですねぇ。

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蕪村の俳句など思い出して、旅情満喫です。

「仁王門」から「清水の舞台」へ

参道を登りきって、見上げると、そこには夕陽に照らされて朱塗りの「仁王門」が。
思わず「うわぁーっ」と声が出ました。やはり、これは凄いです。

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更に石段を少し登って、回廊を歩くと、いよいよ「清水の舞台」です。

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残念なことに、今日の「清水の舞台」は改修工事中で、鉄パイプやシートに覆われていましたが、本舞台から向こうに見える「奥の院」の板舞台ですら立派で美しい建造物です。
しみじみと「昔の人は、よくもまぁ、こんな物を建てたもんだなぁ」と思ったものでした。

『名探偵コナン』では、高さ12㍍のこの舞台から人が突き落とされ、「あわや、第3の殺人が」と思いきや、謎を解いた工藤新一探偵があらかじめ敷いておいたエアーマットによって助かる、という展開。
そして最後は、無事に事件解決した後で、新一くんと蘭ちゃんの「ほっぺたキス」シーン。
そう思うと、中学生や高校生の修学旅行の舞台となる、ここ「清水寺」はまた数知れないほどの「幼い恋」の舞台でもあったんでしょうね。

京都に来たら「にしん蕎麦」

結構歩いたので、おなかが空きました。

四条の祇園花月まで戻ってきました。
ここは元々映画館だったのですが、現在は吉本の経営する「祇園花月」になっています。
支配人も昔から良く知っている人で、また同志社女子大の教え子がバイト生として働いていることもあり、時々顔を出すのです。
生憎と今夜は「夜の部」の公演がお休みらしくて、灯が消えていました。

そこで、隣の「京めん」に入ります。
注文は「にしん蕎麦」。

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「湯豆腐」に「天麩羅」、京都には美味しい食べ物がたくさんあるのですが、僕はなんといっても「京都に来たらにしん蕎麦!」なのです。
鰹と昆布で取った出汁に、甘辛く煮た「身欠き鰊」をふぅふぅ言いながら食べると、「あぁ、ここは京都やわぁ」と思うのです。

祇園白川~花見小路~先斗町

とっぷりと陽が暮れたので、提灯に灯が入った花街をそぞろ歩いてみました。
日本の夜には、どうしてこんなにも「提灯のあかり」が似合うのでしょうか。
白川の「辰巳稲荷」、花見小路の「犬矢来」、鴨川を渡って先斗町の石畳。

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京都って、やっぱりいいですね。

外国からの観光客は、自分の国にはない「エキゾチズム」を感じるのでしょうが、日本人の僕には「懐かしい何か」を感じさせてくれます。
それは決して「観光」として消費されて終わるものではなく、今を生きているこの身体の奥にある「自分自身」を確認するための作業のような気がします。

電車に乗る前に、四条河原町の「ドトール珈琲」に入りました。
数時間ぶりの煙草をくゆらしながら、足の指を折り曲げし、背筋を伸ばして、かなり疲れていることに気が付きました。
「そう言えば、『名探偵コナン』の工藤新一や蘭ちゃんは25年経っても歳を取らないけれど、こっちはきっちり歳を取ってるもんなぁ」
これが、今日発見した『真実はいつもひとつ!』なのでありました。

吉村 誠(よしむら・まこと)1950年山口県生まれ。東京大学文学部社会学科卒。朝日放送テレビプロデューサーとして多くのテレビ番組や映画製作を担当。宝塚造形芸術大学教授を経て、現在は同志社女子大学・関西看護医療大学で非常勤講師を勤めている。おもな担当番組に「M-1グランプリ」、「晴れ時々たかじん」、「ワイドABCDE~す」、プロデュース映画に「血と骨」(監督:崔 洋一)、「秋深き」(監督:池田敏春)、著書に『お笑い芸人の言語学』(ナカニシヤ出版)。

2019.02.22

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