今春にも解体工事に着手/梅田1丁目1番地計画/阪神電気鉄道、阪急電鉄
阪神電気鉄道と阪急電鉄が計画する「梅田1丁目1番地計画」の解体工事がいよいよ今春にも始まる。先行して建て替える新阪急ビルではテナントの退去が進んでおり、主要テナントのブックファースト梅田店も2月末で閉店する。施工者は竹中工務店、大林組が有力視されている。新阪急ビルに続いて阪神百貨店の入る大阪神ビルディングを建て替える。全体の竣工は2023年を予定している。
【梅田1丁目1番地計画の完成パース】
新阪急ビルは地下と低層階に商業施設が入り、上層をオフィスとして使っている。飲食店が主体の地下(八番街)はすでに空きテナントが目立ち、低層部の商業施設も2月にかけて退去が進む。04年4月に開業し、1-3階に入居するブックファースト梅田店も2月28日で閉店する。オフィス部のテナントは阪急阪神グループの会社が多く、ぎりぎりのタイミングで退去すると見られる。1期として新阪急ビルを、続いて2期で大阪神ビルディングを建て替える。
【ブックファースト梅田店は2月末に閉店】
新ビルの規模はS一部SRC造地下4階地上38階建て延べ約25万7000平方㍍。地下2-地上9階が百貨店ゾーンで延べ約10万平方㍍を確保する。建て替え工事は営業を続けながら進める。11-38階はオフィスゾーンで延べ約13万3000平方㍍。西日本最大規模の1フロア当たり約4500平方㍍の規模を誇る。11階には延べ約3000平方㍍のカンファレンスゾーンやスカイロビーを設ける。このほか、駐車場や共用通路などが約2万1000平方㍍。10階は機械室に当てる。建物高さは約190㍍を計画している。
建設地は大阪市北区梅田1-1ほか。敷地面積は約1万2100平方㍍。現在の新阪急ビルと大阪神ビルディングの間にある道路上空の利用も検討している。
現在の新阪急ビルの規模はSRC造地下5階地上12階建て延べ約5万3000平方㍍。建物高さは約50㍍、敷地面積は約4100平方㍍。1962年に竹中工務店の設計施工で完成した。一方の大阪神ビルディングの規模はSRC造地下5階地上11階建て延べ約9万7000平方㍍。建物高さは約50㍍、敷地面積は約7300平方㍍。こちらは1963年に大林組の設計施工で竣工した。両ビルとも完成から50年以上が経ち、老朽化が進んでいることから建て替えを検討していた。
これまで建築工事については、阪急は竹中工務店、阪神は大林組が強かった。ただ、06年10月に阪急阪神ホールディングスが誕生し、同じグループになったことに加えて、阪急百貨店うめだ本店が入る梅田阪急ビルの施工を大林組(当初は大成建設)が担当したことなどから、梅田1丁目1番地計画を施工するゼネコンが注目を集めている。